季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。

小鳥さんの脚が開いている

2024.04.01

桜の便りが届き始め、一気に春めいてきました。新生活のスタートを切った方も多いことでしょう。ただ、なんとなく気持ちが浮ついてしまって怪我をしやすい時期でもあるので注意が必要です。というわけで、今回は小鳥さんの身体の異常でよく言われることの多い‘開脚’について考えてみましょう。

お迎えしたばかりの幼い小鳥さんの脚が開いている場合、‘ペローシス’を起こしている可能性が高いです。ペローシスとは、腱外れともいわれる栄養性もしくは遺伝性の疾患です。症状としては、片脚もしくは両脚が外側へ広がってしまい、まっすぐ立つことが困難になります。そのため、胸や腹で体重を支えることが多くなり、胸骨の変形および胸腔狭窄を起こすことがあります。こうなると、慢性的な呼吸不全になってしまいます。完全に治すことは難しいですが、生後1ヶ月までであれば自着性伸縮性テープなどを使って足幅を調整し固定しますが、脱臼してしまうリスクやストレスにより食欲不振が起きる可能性があります。それ以降の週齢の場合は環境を整えてQOL向上を目指す場合が多いです。骨きり整形の手術をする場合もありますが、ペローシスの子は呼吸状態が悪くなりやすいので健康な子よりも麻酔リスクが高くなります。
既に大人になった子で脚が開いてしまう場合、幼少期からのペローシスが悪化したケースもありますが、多くは何らかの原因でけがをしたことによる場合が多いです。けがの治療ができれば良いですが、完治が難しい場合はやはり環境整備によるQOL向上が目標になります。

脚に異常が出てしまった小鳥さんは特に環境整備や食事管理、体重管理が重要になります。治すことが難しかったとしても、その子ができるだけ快適に過ごせるように一緒に考えていきましょう。

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