季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。

小鳥さんのロスト

2024.03.01

寒さの中に春の気配を感じる季節となりました。
天気が良い日も増え、鳥さんとお出かけする機会も増えてくるこの季節に注意したいのが、鳥さんのロスト(脱走)です。

今回は、小鳥さんを逃がしてしまった場合の対応についてお話し致します。

鳥さんがロストしてしまう原因として、放鳥中の事故、カゴを自分で開けてしまった、屋外でカゴの蓋が外れてしまったなど、飼い主さまのちょっとした不注意がほとんどです。

放鳥中の逃走を防ぐために、放鳥中は窓や扉を閉め、放鳥時間を区切って、小鳥さんから目を離さないようにしましょう。
特に、オカメインコさんくらいの大きさの小鳥さんは、パニックや、衝突で、簡単に網戸を突き破ることができます。

扉を自分で開けてしまう子の場合は、開けづらい構造のケージを使用したり、洗濯ばさみなどで固定するなど、工夫をしましょう。
また、通院などで外出をする場合は、ケージが外れてしまわないような構造のものや、閉め忘れには充分注意しましょう。
たまに、抱っこした状態や、蓋なしのケースでご来院される方がいらっしゃいますが、ロストしてしまう可能性が高く、とても危険です。

万が一、小鳥さんが逃げてしまった場合は、まず、最寄りの交番や警察署に遺失物届けを出しましょう。
迷子の鳥さんが、飼い主さんの「落とし物」として、保護されていることがあります。

また、お住まいの市町村を管轄する動物愛護センターや保健所、環境事務所などにも連絡をしてみましょう。
自治体によっては、ワンちゃんネコちゃんだけでなく、小鳥さんも含めて逃走動物リスト、保護動物リストを作成しているところもあります。
怪我をして動物愛護センターや環境事務所に保護されていたり、里親さんに保護されていることがあります。
自治体によって対応が異なるため、緊急時の連絡先について、予め、お住まいの市町村に確認しておくことも大切です。

また、ポスターやSNSサイトを利用して、目撃情報を仰ぐことで、情報提供が集まることもあります。
ここで、気をつけなければいけないことは、貼り紙やポスターで協力を募る場合、必ず、管理者の許可を取りましょう。
ご自宅の壁や塀に貼り紙をすることは、何の問題もありません。
しかし、小鳥さんを心配して早く見つけたい気持ちから、マンションや町内会などの共有スペースや、別のおうち、特に電柱などに勝手に貼ってしまうと、器物破損などの犯罪や訴訟になってしまうこともあります。
少しでも多くの方に協力して頂くためにも、落ち着いて、ルールを守った行動を取ることも飼い主さまの役割です。

近年、鳥さんのロストに関するSNSアカウントもあり、上手く活用することで、従来より情報収集がしやすくなってきています。

もし、小鳥さんがおうちに無事に戻ってきてくれた場合は、病院を受診しましょう。
普段、おうちで清潔なごはんとお水をもらって生活している小鳥さんたちは、外の世界で生き抜くための体力や免疫力が乏しいです。
汚いお水やゴミを食べてしまい、感染や中毒を起こしていたり、カラスさんやネコちゃんなどの野生動物に襲われて、怪我をしていることもあります。
また、朝晩の冷え込みや雨などの温度変化に適応できず、からだが弱ってしまっている可能性が高いです。
病院で必要な処置や投薬を行い、また元気に暮らせるようにしてあげることが、とても大切です。

万が一、逃げてしまった場合の対応やご相談など、ご不安なことがございましたらご相談ください。

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