‘腹水’盆に返らず
明けましておめでとうございます。楽しい年末年始を過ごした方、慌ただしい年越しになった方、静かに新年を迎えた方、いろいろいらっしゃるでしょう。中にはついつい食べ過ぎて正月太りに悩む方もいるかもしれません。おうちの小鳥さんも最近体重が…なんて声をよく聞きます。しかし、その体重増加は本当にただの食べ過ぎによるものでしょうか?そこで今回は、体重の増加が気付くきっかけになりやすい腹水貯留について考えてみましょう。
腹水貯留とは、何らかの原因でおなかの中(腹腔内)に水が溜まってしまう状態です。肝臓疾患や腎疾患、生殖器腫瘍など原因は様々ですが、重症化すると呼吸困難やうっ血などを起こし、命に係わります。原因の特定にはレントゲン検査やエコー検査などの精密検査が必要ですが、腹水がたまった状態では検査による負担も通常より重くなりやすく、十分に行なえないことも多くあります。
治療として、原因が特定できている場合は内服薬による原因疾患への治療や、おなかに針を刺して水を外へ出してあげる対症療法(穿刺抜水)を行ないます。しかし、薬が効きづらい場合や状態の悪化の方が早い場合もありますし、穿刺抜水にも急な血圧低下や出血などのリスクがあります。またお水を抜いても時間の経過とともに再び溜まってくることがほとんどで、一回の処置で終わることはまずありません。
このように、腹水が溜まってしまうとそれが重度であればあるほど小鳥さんにしてあげられることの選択肢が減っていきます。そのため、日々の体重の経過や小鳥さんの様子からいち早く異変を見つけることが重要です。
腹水が溜まっている場合、おなかは膨れてくることが多いですが小鳥さんは羽毛に覆われているためパッと見ただけでは分からないという方もいるでしょう。そんな時は止まり木などにいるときの姿勢も見てみましょう。普段よりも前のめりになっている、もしくはペンギンのような立ち姿になっている場合、腹水によって重心が変わり頑張ってバランスをとっている状態かもしれません。また、尾羽がピコピコと揺れていないでしょうか。テールボビングと呼ばれるこの症状がある場合は呼吸が苦しくなってきている状態で、緊急度が一段階上がります。
もちろん本当にただ太ってしまっただけの場合もありますが、体重の変化は小鳥さんの病気を見つける重要なカギになります。おうちで日々の体重をチェックしてあげることは大切です。もしおうちの小鳥さんの体重が増えていたり、お腹周りが大きく見えたりしたら早めに病院に相談してくださいね。