Java sparrow

文鳥

About Java sparrow

ブンチョウについて

ピンク色のくちばしがとても印象的な小鳥さんです。水浴びを好む子が多く、バシャバシャと水しぶきを上げて遊ぶ様子は見ているだけでも癒やされます。
人に懐きやすい反面、警戒心を持ち合わせている場合もあり、環境が変化すると、落ち着くまでに時間がかかることがあります。あせらず少しずつ声をかけたり、おやつを手から与えたりしながら距離を縮めていくと、自然に手乗りや肩乗りを楽しむ関係へと発展します。

飼育難易度
★★☆☆☆
慣れやすさ
★★★★☆
お歌(オス)
★★★★★
カラーバリエーション
★★☆☆☆

ブンチョウの一般データ

学名 Lonchura oryzivora
英名 Java sparrow
漢字名 文鳥
分類網 綱:鳥綱(Aves)
目:スズメ目(Passeriformes)
科:カエデチョウ科(Estrildidae)
属:ブンチョウ属(Padda)
種:ブンチョウ(oryzivora)
生息域 インドネシアのジャワ島、バリ島(原産地)
米国ハワイ州、フィリピンなど(移入、定着地)
全長 14~15㎝
体重平均 25g
平均寿命 7~10歳
産卵数 5~6個
抱卵日数 18日前後
巣立ち 25日
性成熟 6カ月
心拍数 300~500回/分
体温 42℃

ブンチョウの名前の由来と色の種類

英名の Java sparrow は原産地であるジャワ島からつけられています。インドネシアでは「グラティジャワ」と呼ばれています。日本には江戸時代初期に中国を経由して輸入されたとされ、1697年(元禄10年)に刊行された本草学者「人見必大(ひとみひつだい)」の書籍「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」に「以形麗号文鳥さん(形の麗しきをもって文鳥さんと号す)」と記されています。

ブンチョウの色の種類

‘文’ という時には ‘綾’ と同じ意味が含まれており、文鳥さんは模様や色合いが美しい鳥であるという意味になります。原種に近いのはノーマル文鳥さんですが、一般に広く流通しているのはノーマル文鳥さんに白い斑点が混じる桜文鳥さんです。
そこからさらに江戸時代現在に白文鳥さんが作られ、海外ではシルバー文鳥さん(ヨーロッパ)やシナモン文鳥さん(オランダ)が作られました。レアなカラーリングとしてはアルビノ文鳥さんや頬黒文鳥さんもいます。

ブンチョウの生息域

インドネシアのジャワ島やバリ島の地図

原産地はインドネシアのジャワ島やバリ島です。しかし、人気の愛玩鳥として乱獲されたり畑の害鳥として駆除されたりして原産地では絶滅の危機に瀕しています。
現在では 19~20 世紀にかけてハワイに持ち込まれた個体が繁殖・定着し、ハワイ文鳥さんとして親しまれるケースもあるようです。
他にも、アメリカ本土やフィジーなどにも持ち込まれていたほか、日本でも一部地域で移入されていたようです。
原産地のブンチョウさんは大変に減っており、保全状況評価は絶滅危惧(EN)に指定されています。そのため、日本への輸入も止まっています。

生息域の気候、気温、湿度

熱帯性気候例:ジャワ島

乾季
5月半ば~11月半ば
雨季
11月半ば~5月半ば

気温

平地
17~33℃
山間地
朝晩は10℃以下

湿度

乾季
100㎜以下/月
雨季
200㎜以上/月

ブンチョウの性格

人懐っこく手や頭に乗って甘えたがる(おもち、イチゴ大福)一面がある一方、「怒りんぼ」と称されるほどキャルキャルと威嚇し、人間だけでなく他の文鳥さんや自分よりも大きなインコにも喧嘩を売るほど気が強い部分もあります。同じキャルキャルでも「怒り」「威張り」「不満」などいろいろな感情を含みます。
様々なことに興味を持ちますが、警戒心も強く、時に緊張から失神してしまう子もいます。噛む力は意外と強く、噛むだけではなくそこからひねりを加えます。皮膚の弱い部分にやられるとペンチでひねられているような痛さもあります。
しかし、好きな人に対しては決して怒ることが無くべったりと甘えます。嘴はブンチョウさんの意思を伝える1つの方法です。噛まれて痛いときに起こるのではなく、何を伝えたいのかを考えてあげることが大切です。

日本に溶け込んでいるブンチョウ

ブンチョウさんの原産国は?と聞かれてもなかなか出てきません。それほどまでに日本に溶け込んでいます。その理由としていくつか挙げられます。1つに昔から飼われています。江戸時代から飼われています。もう1つに本によく出てきます。例えば文豪夏目漱石の「文鳥さん」にも(最後は可哀そうですが、、、)千代千代・チヨチヨなく白ブンチョウさんでが出てきます。さらにもう1つ、色が挙げられます。日本で飼っている方にとってとても色は大切な因子になっています。その証拠にブンチョウさんとの会話で必ず「○○(色)ブンチョウを飼っています。」とほぼ100%お答えになります。他の種類で色を必ず言うことはあまりありません。最後にもう1つ、石碑があります。日本発祥の色のブンチョウさんがいます。それは白ブンチョウさんです。白ブンチョウさんは江戸時代に現在の愛知県弥富市で作られました。ここに白ブンチョウ記念碑があります。
ここまで様々な愛され方をされていて、古くからいるコンパニオンバードは他にいません。日本人にとって文鳥さん(ブンチョウ)さんは特別な存在なのです。

ブンチョウとの楽しみ

ブンチョウさんと言えば、「ニオイ(香り)」です。ブンチョウさんは個々の特有の(香り)を持っています。このにおいをかぐのが日々の楽しみの 1 つです。イグサの香りであったり、時にコーンスープやコンブの香りであったり様々なニオイ(香り)がします。このニオイ(香り)が元になりラーメンが販売されるほどです。この香りの正体は尾脂腺です。この尾脂腺とその周囲にいる細菌によってこのニオイ(香り)が発生します。持っている細菌叢が個々に異なるため、様々なニオイ(香り)がします。このニオイ(香り)は健康のバロメーターにもなります。さらに飼い主さんが幸せになります。そのためどんどんかぐことをお勧めします(嫌がらない限り)。

ブンチョウに多い病気

ブンチョウは他の鳥と同様、様々な病気にかかります。年齢や性別によりかかりやすい病気は様々です。
以下の病気はブンチョウさんによく見られる病気の一部です。早期発見のため定期的に健康診断を受けましょう。
対面だけではなくオンラインでの診療も行なっています。

  • 幼鳥~若鳥の頃

    • トリコモナス症
    • トリポリオーマウイルス感染症(APV)
    • コクシジウム症(イソスポーラ症)
    • 栄養障害
    • 甲状腺疾患
  • 成鳥

    • 事故
    • 怪我(特に骨折)
    • 卵詰まり
    • 誤食・中毒
    • 上部気道疾患(特に副鼻腔炎)
    • 嘴の異常
    • 羽咬症
    • 肥満に伴う内臓機能低下
    • 甲状腺疾患
  • 老鳥

    • 感染症腫瘍
    • 内臓疾患(代謝性疾患)
    • 嘴の異常