Peach faced lovebird
コザクラインコ

Peach-faced Lovebird
コザクラインコについて
コザクラインコさんはコンパニオンバードとして暮らすには一羽飼いが原則です。ペアにする場合は、人が単なるお世話係になってしまうことも覚悟して、二羽のラブラブな様子を楽しむ気持ちで接しましょう。
一羽飼いの場合は、からだ全体でぶつかってくる愛情をいかに受け、上手に流すかが大切です。いっしょに過ごす時間を濃密にする工夫をしましょう。
体質は強いですし、はんなり・ほっこりした上品な外見は京人形のようです。内面の情熱的な愛情表現とのギャップがたまらない魅力です。

- 飼育難易度
- ★★☆☆☆
- 慣れやすさ
- ★★★★☆
- おしゃべり
- ★★☆☆☆
- カラーバリエーション
- ★★★★★
コザクラインコの一般データ
学名 | Agapornis roseicollis |
---|---|
英名 | Peach-faced Lovebird Rosy-faced Lovebird |
漢字名 | 小桜鸚哥 |
分類網 | 網:鳥網 目:オウム目 科:インコ科 属:ボタンインコ属 種:コザクラインコ |
生息域 | コザクラインコさん ナミビア共和国(首都ウインドフック) アカコザクラインコさん アンゴラ共和国(首都ルアンダ) |
全長 | 15〜18cm |
体重平均 | 45〜55g |
寿命 | 10歳程(5〜15歳)(オス>メス) 25歳という長寿の記録も) |
産卵数 | 3〜8 個 |
抱卵日数 | 約24日(生後 2週間まであまり鳴かない) |
巣立ち | 約40日(生後約5週間) |
性成熟 | 約6〜12ヶ月齢 |
心拍数 | 300〜500回 |
体温 | 42度 |
コザクラインコの名前の由来
学名のAgapornisはギリシャ語でAgapeは「愛」をOrnisは「鳥」を現しています。
名前の示す通り、その愛情深さより愛の鳥「ラブバード」の総称がついており、全9種います。
roseicollisは「バラ色の丘」。和名は頬が桜色の配色をしているから「小桜」とつけられたと言われています。
コザクラインコの生息域

コザクラインコさんはアフリカの南西部ナミビアを中心として生活しています。標高1500m
(疎林)ぐらいまでの場所に住んでいます。乾燥地帯(半砂漠)を移動して住んでいますが、必ず必要なのは水源です。数羽から数十話の小群を何グループか作り、サバンナもしくは草原、疎林に住み、水を飲むために毎日水場に飛んで移動します。アカシアの種や、雑穀、果物を食べて生活し、気温や食べ物によって、季節ごとに地域を移動しています。
自然では岩場の隙間、サボテンの洞などに巣を作ります。そのためメスは暗くて狭い場所に潜り込むのが大好きです。そして木の皮を齧って巣材にしていたことから、障子紙や柱、雑誌などを齧りたがります。
コザクラインコさんのメスは上手に巣材を長細く切り出し、それを腰に差して巣まで運ぶ習性があります。

実はアメリカでも野生のコザクラインコさんを見つけることができます。アメリカのアリゾナ州フェニックスです。気候が砂漠気候(年間降雨量200ml ぐらい)で乾燥しており、繁殖もギラキツツキがあけたサボテンの穴を活用して行うなどして25年ぐらい前にカゴ抜けして野生したコザクラインコさんが定着しました。
現在、アリゾナ州では砂漠に影響を与えることなく、生態系にも問題がないので移入種として認められる珍しい鳥さんでもあります。2015年にアリゾナ州の鳥として認められているようです。
生息域の気候
ナミビア
- 年間平均気温
- 19.5℃
- 年間平均降水量
- 344.8mm(東京1482 ㎜)
アンゴラ
- 年間平均気温
- 24.2℃
- 年間平均降水量
- 431.4mm
コザクラインコの性格

野生では集団で生活しているので社会性があり、一夫一婦制の鳥さんです。そして『愛の鳥』と呼ばれるだけあって、とても愛情豊かで、人にも大変馴れ易い鳥です。人とコザクラインコさんのペアで飼育をすると人をつがいの相手として好きになる事が多くあります。そして人をつがいの相手と認めると、いつでも人と一緒にいることを望みます。
コザクラインコさんは「噛む」、「狂暴」、「攻撃的」など書いてあるのを見かけます。これはコザクラインコさんの集団性、社会性、愛情の深さ故です。集団性や社会性は環境の変化に大変に敏感に反応することを意味しています。それが環境への神経質な面として現れます。
さらに愛情の深さが、気性が荒く凶暴な面の裏返しと理解することができます。「噛む」や「攻撃する」は必ずしもコザクラインコさんのせいではありません。飼い方によって十分に減らす、改善することができます。
明るい社交的な性格の割に、神経質な一面がある事を理解して買う事が大切です。その事を理解して飼う事が出来れば、甘えん坊で、一緒に遊んでくれて、好きになった相手には、心からの愛情を注いでくれる、本当に楽しいバードライフを送ることができます。
コザクラインコに多い病気
コザクラインコさんは様々な病気になります。人が発情対象になることが多く卵詰まりなどの繁殖疾患を多く見かけます。
発情行動に伴い巣材を齧る習性から金属中毒や誤食などの事故も多いです。
また感染症であるクリプトスポリジウムによる胃炎もこの種の特徴です。さらに他の鳥種と比較して脳炎や捻転斜頸、心疾患が多い傾向があります。
年齢によって罹りやすい病気は異なります。そのステージにあった注意が必要です。大切なのは定期的な健康診断になります。
-
幼鳥~若鳥の頃
- BFD
- クリプトスポリジウム症
- 呼吸器疾患
- ラブバード類の鼻眼結膜炎(LED)逃亡
- 事故
-
成鳥
- 急性鉛中毒
- 腹部ヘルニア症
- 腹部黄色腫
- 卵塞
- 繁殖関連性排泄腔脱・卵管脱
- 卵管畜卵材症
- アリゾナ州
- 卵管腫瘍
- 嚢胞性卵巣疾患
- 低カルシウム血症
- メガクロアカ
- 毛引き症
- 自咬症
-
老鳥
- 感染症
- 腫瘍
- 内臓疾患
- 進行性消耗疾患(胃炎など)
- 心疾患
- 脳障害
コザクラインコとボタンインコの違い
コザクラインコさんとボタンインコさんはともにAgapornisなので近縁です。
この属には9種類のラブバードさんがいます。
全ての種がアフリカまたはその近辺に限局されています。
名前 | 学名 | 英名 | 生息地 |
---|---|---|---|
コザクラインコさん | Agapornis roseicollis | Peach-faced Lovebird Rosy-faced Lovebird |
アフリカ |
ボタンインコさん | Agapornis lilianae | Lilian`s Lovebird | アフリカ |
キエリクロボタンインコさん | Agapornis personatus | Yellow-collared Lovebird | アフリカ |
ルリコシボタンインコさん | Agapornis fischeri | Fischer`s Lovebird | アフリカ |
クロボタンインコさん | Agapornis nigrigenis | Black-cheeked Lovebird | アフリカ |
カルカヤインコ | Agapornis canus | Grey-headed Lovebird Madagascar Lovebird |
マダガスカル島 |
コハナインコ | Agapornis pullarius | Red-headed Lovebird | アフリカ |
ハツハナインコ | Agapornis tartanta | Black-winged Lovebird Abyssinian Lovebird |
アフリカ |
ワカクサインコ | Agapornis swindernianus | Black-collared Lovebird | アフリカ |
1生息域が違う

生息域がアフリカの東と西で分かれているのが分かります。
住んでいる地域の気候(温湿度)も少しづつ異なり、コザクラインコさんの方が乾燥している地域に住んでいます。
2顔が違う


写真のようにコザクラインコさんとボタンインコさんでは目の周りが違います。
眼の周りであるアイリングが白く抜けているのがボタンインコさんです。
コザクラインコさんはその白いアイリングはありません。
3大きさが違う
体格はコザクラインコさんの方がやや大きい。ただ、大きいボタンインコさんもいるので傾向としての話になります。
カルカヤインコさんはラブバードの中で最小の小鳥さんになります。カルカヤインコさんはラブバードの中で雌雄の色が違う種類です。
逆にラブバード最大なのはハツハナインコさんになります。ハツハナインコさんも額の色(オスは赤く)で雌雄が分かれます。
4性格が違う?
コザクラインコさんとボタンインコさんでボタンインコさんの方が神経質だという話を聞きますが、ボタンインコさんが慣れるのに時間がかかるタイプである事、集団性を大切にすることなどを考えると、神経質の方向が意味を持っている事が分かると思います。
5色が豊富
ボタンインコさんも色々な色がありますが、コザクラインコさんは数百から数千色あると言われています。
インコ類の中でコザクラインコさんは最もカラーバリエーションがある種と言っても過言ではありません。