季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。

コザクラインコさんの出血斑

2024.12.01

寒さが一層厳しくなり、小鳥さんのぬくもりが心地よい時期になりました。手の中や袖の中、胸元に入り込みたがる子もいるかもしれません。そこで今回は、特に人にベタベタになつきやすいコザクラインコさんで分かりやすい症状、出血斑について考えてみましょう。
 
出血斑とは、皮下の毛細血管が何らかの原因で破れて内出血を起こしたときにできるものです。アザと同じようなものと考えればわかりやすいでしょう。小鳥さんの場合皮膚はほとんど羽毛に覆われているので出血斑が見える場所は嘴か爪になります。この部分に斑点のように黒っぽい色が出ることがあります。
 
ではなぜ出血斑ができるのでしょうか。

主な原因としては、他の子に噛まれたりどこかに挟んだりしたなどのケガ、感染などによる炎症、そして内臓疾患などによる凝固不全が挙げられます。このうち怪我が原因であれば、よほどのことでない限り出血斑は単発で現れます。感染が原因の場合、傷や腫れがあることが多いですが必ずしもそうでないこともあります。内臓疾患が原因になるケースでは、特に肝臓疾患で起こる場合が多いです。これは、肝臓で出血を止めるための成分(血液凝固因子)が作られていることと、高脂血症などにより血管が傷みやすくなっている可能性が高いことが原因の一部と考えられます。
 
もちろんこの出血斑はコザクラインコさん特有ではありません。しかし、コザクラインコさんの鳥種としての特徴は出血斑が出るリスクがあります。

まず、コザクラインコさんは体のわりに力の強い子たちです。他の子と喧嘩をしたり、思わぬところに無理やり入り込もうとしたりして事故になることがあります。また、「ラブバード」の名称のとおり愛の深い鳥種のため、過発情状態になりやすいです。特に女の子の発情では高脂血症が起こりやすいため、慢性化すると脂肪肝など内臓疾患を併発しやすくなります。さらに、コザクラインコさんは嘴が大きめの種類なので嘴の出血斑が見やすく、飼い主さんが気付きやすいのも特徴です。
 
今回はリスクが高いことと見つけやすいことからコザクラインコさんで特集しましたが、上記の条件があれば他の子たちでも出血斑は起こります。小鳥さんのお顔や足をよく見て、あれ?と思ったら病院に来院するようにしましょう。

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