季節ごとに、小鳥さんと一緒に生活する上での注意事項をお知らせしています。
少しでも小鳥さんのことを知って、お役に立てればと思います。

オカメインコさんのロックジョー症候群

2025.02.01

本格的な冬がやってきました。インフルエンザやリンゴ病などの感染症が今期も流行しています。小鳥さんでも、朝晩の冷え込みなどの気温差で1歳未満の若い個体や高齢の子で体調を崩す子が増えやすくなります。そこで今回は、オカメインコのヒナちゃんが風邪をひいてしまったときに起こりうるロックジョー症候群について考えてみましょう。

 

オカメインコのヒナちゃんが何らかの原因で体力・免疫低下を起こすと、呼吸器系に感染症を起こすことがあります。この時に炎症が副鼻腔や目にとどまらず顎や頬に及ぶと、組織の繊維化によって顎の関節構造が破壊されてしまい口が開かなくなってしまいます。これがロックジョー症候群(開口不全症候群)です。こうなるとご飯を食べたくても口が開かず、栄養失調を起こし死に至ります。

 

感染症の原因は多くの場合細菌によるものです。特に関連が疑われるのがボルデテラ属菌で、同属に人で百日咳の原因菌として知られている種もいます。こうした菌は気道にもともと常在していることがほとんどですが、体力低下、さし餌器具などによる傷、ビタミンA不足などによって粘膜が弱体化すると感染を起こしてしまいます。

 

初期には元気や食欲の低下、咳やくしゃみがみられ、目つきがはっきりしないという子もいます。進行すると口腔内の腫れが見られ、徐々に口が開きにくくなります。顎が動かなくなり始めてからの進行は早く、数日で口がほぼ開かなくなることもあります。

治療には抗生剤や消炎剤を使います。また根本の原因である呼吸器疾患の治療のためネブライザーを行ないます。体力の維持のために強制給餌も必要です。

 

ロックジョー症候群は特に生後2~3カ月以内の幼いヒナで起こりやすく、発症から重症化するまでが早い危険な病気です。オカメインコさんをお迎えしたら、きちんとご飯を食べているか体重も測ってチェックし、目やにや鼻水などがないかお顔もこまめにチェックしてあげましょう。少しでもおかしいなと思ったらすぐに病院に来院するようにしましょう。

ページの先頭へ