小鳥さんの夏の救急疾患、熱中症
暑い季節になると犬や猫の熱中症はよく知られていますが、小鳥さんも熱中症になることがあります。
オカメインコさんやセキセイインコさんはオーストラリアの乾燥地帯、コザクラインコさんはアフリカ南西部、文鳥はインドネシア原産と、比較的暑さのある地域が原産ですが、日本の高温多湿な夏は大きく異なり、小鳥さんにとって大きな負担となります。
特に近年は猛暑日が多く、室内飼育の小鳥さんでも、熱中症の疑いで急患対応することが増えているように感じます。
小鳥さんは、呼吸や羽毛の調節によって体温を調節していますが、温度や湿度が高くなりすぎると体内に熱がこもってしまいます。
特に体の小さな小鳥は体温や体調の変化が急激に起こるため、短時間で重症化することも少なくありません。
熱中症になりやすい環境としては、
・エアコンや空調を使用していない室内
・直射日光の当たる窓際
・風通しの悪い部屋
・キャリーケースでの移動中
・車内への置き去り
などが挙げられます。
熱中症になると
・口をパクパクした呼吸をする
・呼吸が速くなる、いつもと違う呼吸音がする
・翼を広げる
・落ち着きがなくなる
・元気や食欲がなくなる、ぐったりする
・止まり木の上でじっとしている
・けいれんのようなピクピクしたり発作のような様子がみられる
・フラフラしている、意識がもうろうとしている
などの様子がみられます。
特に、開口呼吸やぐったりしている状態は緊急性が高く、すぐに動物病院での治療が必要です。
熱中症は、高体温によって全身の細胞や血管が障害され、たとえ救命できたとしても、神経症状などの後遺症が残る可能性があります。
重症例では脳、肝臓、腎臓、心臓など複数の臓器に障害が及ぶ多臓器不全を起こしたり、播種性血管内凝固(DIC)という、命に関わる危険な状況になることもあります。
熱中症が疑われる場合には、すぐに涼しい場所へ移動させ、エアコンで室温を下げながら速やかに動物病院へ連絡してください。
氷や保冷剤を直接、小鳥さんに当てるなど急激に冷やしすぎる処置は避けてください。
熱中症は、予防がとても大切で、冷風が直接小鳥さんに当たらないよう、室温を28℃くらいで調整し、お部屋に熱がこもらないように空気の循環をさせることが必要です。
また、ケージの場所は時間帯による日当たりの変化も考慮して、いつでも新鮮なお水が飲めるようにしてあげてください。
小鳥さんの熱中症は、発症すると短時間で命に関わるため、日頃から適切な温度管理を心がけ、気になる症状が見られた際には、すぐにご相談ください。